長谷川可奈 個展『親指姫』
























 

蔵丘洞画廊での個展から9年、ZINEgalleryで再び日の目を見ることとなった『親指姫』シリーズ。
アンデルセン童話の『親指姫』のストーリーがモデルになっているが、我々がイメージしている ファンシーな世界観とは程遠く刺激的な画面に目を疑った。それが長谷川可奈流の解釈と表現だ。
あられもない姿で太々しい表情で描かれた女性は、理不尽なことから泣いているだけで乗り越えられ最後は王子様とのハッピーエンドを迎える主人公に”感心できない”といった想いがあるからだという。
そんな独特な捉え方を、木版画とは思えない巧みな技術で完成された全7枚を目に焼き付けていただきたい。
※ 2012年制作  Size:570mm×710mm Edition:10

 

1.『親指姫 -innocent-』
何処へでも はだかのこころで 行けると思っていた
ただの何者でもない 少女だったころ






















2.『親指姫 -醜い蟇蛙-』
どうしてか 何もかもが わたしを泥へひき落とそうと
沼へ
だれが 話し掛けても うるさくて 何もわからない






















3.『親指姫 -縛られた蝶-』
出来心で結び 回して 退屈な指先の 手遊び
遊ぼう と笑う電話を取れば あとはしらない






















4.『親指姫 -雨露を飲む-』
だれもいないので 好きに過ごすだけ 一日
外へ行く予定もないので そのうちに言葉を忘れる






















5.『親指姫 -軒先の燕-』
自分よりも どうしようもないひとを 見ていると
哀れにおもうものだ
あさひが昇る前に わたしだけ 彼になにかを施すことができる






















6.『親指姫 -退屈なもぐらの部屋-』
暗闇の中 泣くと 慰めてくれる手があり
見たこともない たべもの があり 遊戯があったけど
なにひとつ 器を充たすものは ない






















7.『親指姫 -自由のはね-』
わたしは わたしを守って 生きていく






















2022年4月8日(金)〜4月17日(日)


-Session- (会期)
2022年
4月8日(金)、9日(土)、10日(日)
15日(金)、16日(土)、17日(日)

14:00〜19:00(最終日も同じ)

※今回、アーティストの在廊予定はございません。

-Reception party- (レセプションパーティー)
コロナ拡大防止のため予定なし

-Eevent- (会期中のイベント)
コロナ拡大防止のため予定なし

-Artist- (アーティスト)






















長谷川可奈 HASEGAWA Kana

出身-兵庫県

略歴
1986年 兵庫県生まれ
2010年 京都造形芸術大学洋画コース(版表現)卒業
2012年 京都造形芸術大学大学院修士課程芸術表現専攻版表現領域修了
2013年 個展/蔵丘洞画廊
2014年 個展/Gallery_R
2014年 第13回南島原市セミナリヨ現代版画展 朝日新聞社賞
2015年 EWAAC アーティストインレジデンス in UK/英国 ルートン
      EAST-WEST ART AWARD 2015 3位賞/La Galleria Pall Mall
2016年 第10回大野城まどかぴあ版画ビエンナーレ 入選
2021年 中林忠良-版画の系譜と展開-/ギャラリー恵風

受賞
2012年 クラクフ国際版画トリエンナーレ 入選
2015年 EAST-WEST ART AWARD 2015 3位賞/La Galleria Pall Mall
2016年 第10回大野城まどかぴあ版画ビエンナーレ 入選

 

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