
ZINE galleryの0号展では、いくつか他の展示とは少し異なる仕組みを取り入れています。
それが、
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作家名を伏せた状態での展示と応援投票
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展示作家自身にも投票権があること
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展示作家自身にも100Pの投げ銭権があること
です。
一見すると不思議に思われるかもしれませんが、これらにはすべて、ギャラリーとしての明確な意図があります。
今回は、その考え方についてお話ししたいと思います。
なぜ、作家名を伏せて展示と応援投票を行うのか
作品展と人気投票を組み合わせた企画自体は、決して珍しいものではありません。
しかし、展示作家の名前を伏せた状態で行うケースは、他では見たことがありません。
ZINE galleryがあえてこの形式を取っている理由は、とてもシンプルです。
作品の質や、受け取った感動そのものに向き合って投票してほしいからです。
「名前を知っている人だから」
「友人や身内だから」
そうした理由での投票ではなく、純粋に心を動かされた作品に一票を投じてほしいと考えています。
また、投票とあわせてコメントを書けるようにしているのは、在廊していない時間帯に来場された鑑賞者の声も、きちんと作家に届けたいからです。
作家にとって、作品をどう受け取られたのかを知ることは、何よりの学びになります。
なぜ、展示作家自身にも投票権があるのか
0号展では、展示している作家自身にも投票権があります。
ただし、投票はあくまで任意で、強制ではありません。
ただ、中には、
「自分以外の作家に投票したら、自分の票数が不利になるかもしれない」
「他人の作品の良さを認めたくない」
といった理由から、投票に参加しない作家もおられます。
また過去には、自分の作品に投票したり、友人に特定の番号への投票を呼びかけたりするケースもありました。
それらは、ギャラリーが意図している方向性とは、少しずれてしまいます。
ZINE galleryがこの仕組みを設けている理由は、
展示は「出展して終わり」ではないと考えているからです。
他の作家の作品をきちんと観て、
「構図、コンセプト、色、素材の活かし方等、どういうところが良いのか」
「何に惹かれたのか」
を考察し、言葉にし、素直に評価する。
そうした姿勢は、回り回って自分の制作にも必ず返ってきます。
0号展を通じて、「他人の良さを見つけて、認め、褒める」という感覚を身につけてほしいと考えています。
なぜ、展示作家自身にも100Pの投げ銭権があるのか
0号展では、一般の鑑賞者の方から、好きな作品へ投げ銭をしていただける仕組みがあります。
もちろん投げ銭はすべて、作家本人に還元しています。
それに加えて、ZINE galleryでは、出展作家全員に100P(100円分)をお渡しし、
作家同士でも応援として投げ銭ができる仕組みを設けています。
この100Pは、ギャラリーが用意するもので、出展作家の経済的な負担は一切ありません。
それでも過去には、
「他人が得をするのはあまり嬉しくない」
「この100Pを使わずに、将来の自分の出展費などに回せませんか?」
といった声をいただいたこともありました。
そうした意見を聞くたびに、「応援する」「分かち合う」という感覚は、人によって本当にさまざまなのだと感じさせられます。
この仕組みの目的は、
お金を動かすことそのものではありません。
「この作品が良いと思った!」
「この作家を応援したい!」
その気持ちを、ほんの小さな行動として形にしてもらうこと。
そして、応援する側に立つ経験をしてもらうことです。
0号展で大切にしていること
これらの取り組みは、競争を煽るためのものではありません。
勝ち負けを決めるための仕組みでもありません。
ZINE galleryが0号展で大切にしているのは、
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肩書きや知名度ではなく、作品そのものを見ること
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自分以外の表現に、きちんと目を向けること
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応援される側だけでなく、応援する側にも立ってみること
です。
少し面倒に感じる方もいるかもしれません。
合わないと感じる方がいるのも、自然なことだと思います。
それでも、この展示を通じて、
「作品と向き合う姿勢」
「他者と関わる姿勢」
について、何か一つでも持ち帰ってもらえたらと考えています。
0号展は、作品を並べて販売するだけでも、投票数を競うだけの場ではありません。
作家として、もう一歩先へ進むための“練習の場”でありたいと、ZINE galleryは考えています。
※練習の場
新しい作風への実験、試作。
梱包についての学び。
売約がついた際の対応。
価格の設定のしかた。など・・・