ギャラリーオーナーの「斧田って誰よ?」て人のために

「おっ、これ興味ある!わくわくしてきた!」と思ったことは、やらずにはいられなくなる猪突猛進型の斧田です。(実際、亥年生まれだし)

さてこの度、ギャラリーオーナーとして新しい立場でも活動することになったのですが、「斧田って誰よ?」という方もおられると思うので、簡単に自己紹介しますね。

1971年、奈良県生まれ。
1990年に宝塚造形芸術大学(現:宝塚大学)に入学しました。
まだ京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)や成安造形大学もまだ存在していなかった時代です。
1994年に、高松伸建築設計事務所に就職するも、数年で建築設計に向いていないことを悟り挫折。
印刷業界や出版業界を経て、2004年に起業し、2008年に「株式会社アックスフィールド」として法人化し現在に至ります。

趣味は旧車とアート。
2010年くらいまでは、アートイベントに顔を出して無理のない範囲で作品を買うなどしてました。
まだSNSが現在ほど盛んではなかった時代、仕事の合間にアートイベントに出かけました。
そこで出展していた作家に「自分の作品を発信していきたいんだけど、ブログ以外に方法を思いつかないんですよね。雑誌とかに掲載されてみんなに知って欲しいんですよ。」と言われ、サラリーマン時代にフリーペーパーを作る会社に勤めていた経験もあったので、「そういう雑誌、あったらええな! なかったら作ろうか!」と心弾みました。

当然、最初は殆どのギャラリーにも相手にされず、アート業界の友人もほとんどいなかったので、展示やイベントの情報すら主催者からのお知らせは来ず、自分からネットで探して掻き集めないと形にならないという状況でした。

それを見ていた周囲の関係者の中には、「趣味で絵を描いてる人との仲間内で同人誌作るんでしょ?」と言われたり「そんなの夢みたいなことしたって創刊号が最終号になるパターンだよ。やめときな。」などと笑われましたね。

確かに業界人でもないのでコネも知識もキャリアも無いので、そう思われるのも理解はできましたが、逆に闘志に火が点き、仕事の隙間を見つけては、土日祝日など県外のギャラリーやアートフェアに走り回ってたくさんの作品を見てたくさんの人とお話をし、知識と人脈を作りました。
「キャリアが無いなら短期間に集中して足で作ればいいやん!」と活動しました。
あれは決して苦労ではなく、それはそれで楽しかったんです。

その甲斐もあって、アートが好きな方々に、いま頑張っている若手アーティストの魅力を伝えて展覧会に行ってもらったり作品を手にしてもらうのを夢みて、情熱だけで業界に何のコネも無かった私が、なんとか2012年にHe-art(ハート)というフリーペーパーを創刊しました。

毎号毎号、1人の若手アーティストに取材のオファーをし、必ず実際に会って、その作品と人柄や歴史、そして裏話などをインタビューしては記事にまとめ続けました。

その他、展示情報、アートに関するトラブルの対処策の紹介、イレブンガールズのプロデューサー與倉豪さんによるコラム、展覧会レビュー、プレゼント企画等も掲載してきました。

2ヶ月に一度、コンスタントに6000部発行し、美術系の学校、ギャラリー等、関西を中心に全国に設置しました。

そうしているうちに、10代〜60代まで全国の読者様から温かい応援の手紙やメールも
いっぱいいただきました。
(まれに誕生日プレゼントまでいただいたこともありました)

フリーペーパーが不足したり設置されていない地域の方や、バックナンバーも読めるように、隔月刊He-art電子書籍版も作りました。
これを作ったことにより、読者が一気に増えたという実感を持てましたね。

2ヶ月に一度発行のフリーペーパーだと、新しい展覧会やイベントなどの情報を更新できないということもあり、2015年05月にはウェブマガジンHe-art通信もリリースしました。

しかし・・・

時は流れ、紙媒体というアナログで効率も悪く、経費もかかりながら無料で配布するという無謀なスタイルを5年間続けてきましたが、赤字だけが膨らむという状況が続き、残念ながら隔月刊He-artも29号をもって休刊しました。


コレクター及びライターとして取材してきてるうちに、作家ってどういう苦労があってどういう醍醐味があるのかを知り、一度その立場で活動したくなり、2016年10月9日から開催された「柏原ビエンナーレ2016」(大阪)というイベントに初めて自分の作品《ashiato》を発表しました。

柏原ビエンナーレ2016 作品

実はこれが予想に反してかなり良い評価を得ることができ、これをきっかけに2020年9月現在で20を超える展覧会で発表しています。

奈良県奈良市に学園前という高級住宅地がありまして、2015年から街を活かした「学園前アートフェスタ」というアートイベントが毎年開催されているのですが、5年目となる「学園前アートフェスタ2019」のアートディレクターに就任しました。
1年目〜4年目まで見てきた全会場の雰囲気と、過去に出会った色々な作家や作品のデータを照らし合わせた結果、最高の評価をいただける素晴らしい展示となりました。
ここで、キュレーターの立場としての経験や醍醐味を味わいました。

学園前アートフェスタ2019

キュレーターという”しつらえる”という思考や行為は、私にとってはフリーペーパーでアーティストをどのように紹介するかということと似ていたのです。

自分が気に入ったアーティストを紹介し、それを知った人が興味を持ち、展覧会に足を運んだり作品を購入することに繋がるという導線を考えることは、編集長も展覧会のキュレーターも同じです。

ギャラリーの名前に「ZINE(自主製作本)」を使ったのにも、そういう信念を込めています。

今まで仲良くしていただいてる方、また今後ご縁を持ってくださる方。
これから新しい立場からもアートに関わっていきますのでよろしくお願いします。

“ギャラリーオーナーの「斧田って誰よ?」て人のために” への2件の返信

  1. 斧田さん、もうすぐギャラリーオープンですね!

    素敵なギャラリーになりますように祈念しています。

    がんばってください!!

    1. 村瀬さん、ありがとうございます!
      おかげさまで絶好調のスタートダッシュとなりました。
      金土日のみのオープンですが、またお立ち寄りください。

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